キツネは魔法の力を使って、永遠に死ぬことが無くなりました。
最初は幸せそうだったキツネでしたが、その内にキツネの大切なものを全て奪われてしまいます。
あるものによって。
単に長く生きることが、必ずしも幸せであることには結びつかないということです。
キツネの幸せを奪ったもの
(注意:ここからネタバレを含みます)
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永遠に死ななくなったキツネ。そのキツネの幸せを奪ったもの。
それは過ぎていく「時間」でした。
キツネは死を遠ざけるため、魔法の力で死神を木に縛り付けました。
そして、永遠に生きるんだと喜びはしゃいでいました。
キツネは、死なないこと自体が幸せであると考えていたのです。
しかしそれは、キツネの思い違いでした。
長く生きることと、幸せであることは、必ずしも同じでは無いのです。
キツネ自身は死なずに長く長く生きたものの、周りのキツネたちは過ぎていく「時間」の中で成長し、次の世代をもうけ、そして死んでいきます。
その「時間」の流れから、永遠に生きるキツネだけが取り残されたのです。
有限である人生だからこそ幸せになれる
しかし、人生において唯一確かなことといえば、わたしたちがいつかは死ぬということである。(抜粋)
ジャン・ドメニコ・ボラージオ(緩和医療専門家)
「キツネとねがいごと」より
人間は必ず死にます。致死率100%です。
でも死ぬことは決まっていますが、いつ死ぬかは誰にも分かりません。
後50年生きるかもしれないし、次の瞬間に死んでしまうかもしれない。
そうであれば、後悔せず幸せになるためには、「今一番すべきこと」をしておくことが最も重要では無いでしょうか。
If today were the last day of my life, would I want to do what I am about to do today?
(もし今日が人生最後の日だとしたら、今やろうとしていることは 本当に自分のやりたいことだろうか?)
これは、アップル社の創始者 Steve Jobs (スティーブ・ジョブズ)の言葉です。
有限な人生だからこそ、今なにをすべきか考え、行っていく。
その「今」を重ねて行く。
期限の無い人生では、「今」という概念も消えてしまうかもしれません。
有限で明日が予想出来ない人生だからこそ、「今」を誠実に過ごし、未来を良くしていこうという気になるのだと思います。
そのような「今」を重ねた上で、ちょっと引っかかるような過去に対して振り返ることがあれば、過去に対する解釈も幸せであると上書きアップデートしていきましょう。
過去を後悔するのか、良かったと解釈するのかは、あなた自身が決めていいことです。
人生は創り上げていくもの
幸せな人生とは、単純に長く生きれば得られるものではありません。
能動的に創り上げて行ってこそ、幸せに成れるのです。
それは、自分一人で創り上げるものではありません。
家族、友人、仕事仲間、地域の人、同じ時代を生きる全ての関わりのある人たちとの関係の中で出来上がるのです。
人間は社会的な生き物なのですから。
ある日、キツネのおくさんが病気になりました。病気はどんどん重くなり、おくさんは死んでしまいました。
あっというまに、たのしかった日々が消えてしまいました。「キツネとねがいごと」より
楽しさを、自分だけで創ることは難しいのです。
楽しさは、誰かとの関係の中で生まれます。
例え、永遠に死なないとしても、新しい楽しさが生まれず、過去の楽しさにしがみつくだけの人生になってしまったら。
そんな人生は幸せだと言えるでしょうか。
単に時間を費やしているだけでは、死んでいるのと変わらないかもしれません。
分からないから死は不安
キツネは、なぜ永遠に死なないことを望んだのでしょう。
それは、死ぬことが不安だったからです。
人は死ぬことに不安を感じます。
なぜなら、生きている限り「死」を体験することが無いから。
人は分からないことに対して、不安を抱きます。
そのため、様々な宗教でも死への不安を無くすために「死後」について説かれています。
そういった意味では、多くの宗教は死を理解するための知恵であると言えるかもしれません。
一番幸せな死を迎えるためには
しかし言葉のレトリックのようになってしまいますが、人は死ぬまで死ぬということを本当に理解することはできないのです。
そうであるならば、死を理解できないまでも、死を迎える時に後悔の無い状態であれば、それが一番の幸せであると言えそうです。
そうやって迎える死は、人生の集大成であり、生から解放であり、あなたという存在の完成を迎える時であると言えます。
年おいたキツネの心は、すうっとかるくなりました。
キツネはうなずきました。
キツネと死神は、いっしょにこの世をさっていきました。
「キツネとねがいごと」より
キツネもきっと、この瞬間に全ての苦しみから解放されたのだと考えます。
死はタブーではなく、良い人生のために向き合うもの
「死」というものに対して、我々はケガレやタブーとしてあまり考えない傾向にあります。
しかし「死」とは実は良い人生を創り合うために、向き合うものです。
死に際を考えるからこそ、どの様な人生を送りたいかを真剣に考えることができる。
もし、永遠の命が手に入ったとしても、必ずしもそれは幸せを手に入れることにはならないのです。
幸せな人生の創り方
幸せな人生の創り方とは、今一番すべきことを行う。
その今を重ねることで、人生を能動的に創り上げていく。
過去は常に、良かったという解釈で上書きアップデートしていく。
そうやって迎える死に際は、あなたが創り上げることのできる人生の中で最も、幸せなものになるに違いありません。
【人生とは時間の使い方】
ミッション:自分が楽しいと思えるコースを、いつでも何度でも走り始められる。誰もが自立して生きていける社会の実現を目指して。
バリュー:無駄な仕事や突然の問題発生、幸せの実現を邪魔する不安や悩みを解決・解消していく。
■吉乃 建志(よしのケンジ)プロフィール■
妻と娘と三人家族/システムエンジニア/40歳過ぎでフルマラソンに挑戦し完走/日本全国巡ることをライフワークに決めた「旅」と「食」を楽しむスキマ旅ブラリスト/本業も副業も成果を出しプライベートも充実できるハイブリッドワーカー
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吉乃 建志
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