インシデントとアクシデントの違いを知って正しい問題解決を

水漏れしているバケツの穴を塞ぐかバケツを交換すべきか

インシデントアクシデントこの2つの言葉の違い分かりますか。

この2つの似た言葉の違いを理解していないと、問題解決が正しくできないという罠に陥ってしまいます。

言葉の違いを知って、正しい問題解決が出来るようになりましょう。

インシデント」と「アクシデント」2つの違い

インシデントアクシデントの違いは「事故」発生の前後で分けることができます。

  • インシデントは事故発生前の現象
  • アクシデントは事故が発生した現象

では、もう少し詳しくインシデントアクシデントの違いを見ていきましょう。

その際には、あるイメージを浮かべながら考えると理解しやすくなります。

バケツのイメージ

水の入ったバケツをイメージして下さい。

あなたが持っているバケツに穴が開いてが水漏れしています。

この水漏れを止めなければならないのですが、どう対応しましょうか?

「インシデント(incident)」

インシデント(incident)」という言葉は、IT関連や医療系といった仕事をしている人以外には、あまり馴染みの無い言葉だと思います。

インシデントという言葉の意味するところは次の通りです。

Incident

Situation that might be, or could lead to, a disruption, loss, emergency or crisis

「中断・阻害、損失、緊急事態、危機に、なり得るまたはそれらを引き起こし得る状況」

—ISO22300 (2.1.15)

つまり、問題解決という一連のプロセスで考えるとインシデントが発生した状況とは、何らかの問題が既に潜在している状況です。

そしてインシデントとは、その「潜在している問題」が何らかの表面的な事象として現れた状態だと言えます。

このインシデントが発見された段階では大きな事故にはなっておらず、いわゆる「ひやりハット」で済んでいます。

バケツのイメージ

先ほどのバケツのイメージでは、水漏れしているという事象を見つけた状態です。

インシデントを発見した時には

だとすればインシデントを発見した場合には、そのインシデント自体への対応を行うと共に、「潜在している問題」へ対応するため、根本原因を探るというアクションが必要になります。

バケツのイメージ

水漏れを引き起こしている穴を見つけて塞ぐことがインシデント自体への対応です。

でもこれだけで終わってしまうと、同じバケツからまた別の穴が開いて水漏れしてしまう可能性があります。

対応を誤ると「アクシデント」に発展

では、インシデントを発見した場合の対応を誤ってしまうとどうなるでしょう。

表面的な対応しか行わなかったり、根本原因の追及を行わなかったりするすると、「潜在している問題」は解消されないまま、再びインシデントを発生させてしまう可能性があります。

 場合によっては、被害がより大きくなってしまい「事故」が発生してしまうこともあるでしょう。

事故」という規模になると既にインシデントではありません。

先述の「中断・阻害、損失、緊急事態、危機に、なり得るまたはそれらを引き起こし得る状況」を通り越して

中断・阻害、損失、緊急事態、危機」という状況そのものです。

こうなると既に事故レベルであり、「アクシデント」に発展してしまったということになります。

アクシデントを起こさないためのインシデント

事故であるアクシデントが起きてしまうと、実害も発生し事故の影響は大きなものになってしまいます。

そのため、インシデントを認識した段階で、潜在している問題を発見することが重要です。

そして、「潜在している問題」を根本解決することで、アクシデント発生を予防することこそが、本当の意味での問題解決になるのです。

バケツのイメージ

穴を塞いで水漏れを防ぐだけでは、また次の穴が開いて同じ様に水漏れが起きてしまうかもしれません。

実はバケツ自体が古く腐食し穴が開きやすくなっていることが、水漏れを引き起こす「潜在している問題」かもしれません。

そうであるならば、バケツ自体を交換することが正しい対応ということになるのです。

まとめ

インシデント

  • 「ひやりハット」大きな事故にはなっていない。
  • 潜在している問題が何らか表面的な事象として現れた状態。
  • インシデントの対処を行うとともに、潜在している問題を根本解決することで、アクシデント発生の予防になる。

アクシデント

  • すでに事故が発生し被害が出ている。
  • 被害の拡大を防ぐため速やかな対処が必要。
  • 潜在していた問題」を、事前に発生している何らかのインシデントで発見できなかったか検証することが、問題発生の予防に繋がる。

あなたの持っている「バケツ」は大丈夫ですか?