問題プロジェクトへの突然のオファー。
マネジメントとして立て直しをしなければならなくなった。
そんな時あなたなら、何から手を付けますか。
立て直しの対策をするために、これだけはまず押さえてたい。
その実例として見ていきましょう。
(今回は往年の名曲になぞらえて)
トラブルストーリーは突然に!
突然の上司からの呼び出し。
ちょっと会議室まで来てくれ。
面と向かって座る。
あれ、何かやらかしたっけ?
実は、
ごくっ
○○のプロジェクトのマネジメントをやってほしい。
えっ!
マネジメント不在状態でプロジェクトが上手く回っていないんだ。
実は○○プロジェクト、隣で進行していたプロジェクトです。
僕は参加していませんでしたが、どうも上手く進行していない様だなというのは傍目から見ていても明らかでした。
その、問題プロジェクトへのまさかのオファー。
しかも、全く経験したことも無く、携わったことの無い種類の仕事です。
こんなチャレンジングなこと・・・
大変に決まってるけど・・・
性格的には、大好物なんですよね。
ついつい、「はい」「Yes」「やります」と返事をしてしまった。
何から手をつければいいのか・・・
さて、実際プロジェクトに入ってみると、確かに問題のある状況でした。
何が問題って、どんな問題があるかはっきりと見えない状態なんです。
実質的にマネジメント不在だったも同様だったんでしょう。
ということで、次の様な対応を進めました。
もしあなたも、同じ様な問題プロジェクトを担当することになったときには、対応の一例として参考にしてください。
全体ミーティング(目的とゴールの共有)
まずは、メンバーで全体ミーティングを開催しました。
但し、この中で確認したことはプロジェクトの目的とゴールの共有までです。
そもそも、これがズレているとプロジェクトは上手く行きません。
1on1で個別セッション
次に、各メンバーと1on1でのヒアリングを行いました。
目的は、
現状として各メンバーがどの様に関わっているかを理解すること。
そして、各メンバーが抱えている問題を引き出すことです。
これを全体ミーティングでやってしまうと、個々のプロジェクトへの関わり方と
抱えている問題の実態を引き出すことができませんからね。
浮かび上がった4つの問題
ここまでの結果、4つの問題が浮かび上がってきました。
- コミュニケーションの問題
- スケジュール管理の問題
- 予算管理の問題
- タスク属人化の問題
1.コミュニケーションの問題
ただすなおに・・・言えないで
メンバーは個々に活動しており全体コントロール出来ていない。タスク間の連携が不十分でした。
2.スケジュール管理の問題
多分もうすぐ・・・
全体スケジュール・詳細スケジュールが設定されていない。
ざっくりとした全体スケジュールはあるが、あとは個人がそれぞれスケジュールを設定して活動しています。
タスク間の依存関係が明確で無くて、全体の進捗管理を誰も行っていない状態でした。
3.予算管理の問題
カネもやん!で僕はたそがれ・・・
全体予算および実行金額について、管理が十分に行われていない状況でした。
どれだけお財布があって、どれだけお金使ったか管理されてないなんて
たそがれてしまいそうです。
4.タスク属人化の問題
あの日あの時あの場所で君は何やっているの?
タスクが属人化しています。
更には計画段階でタスクの完了状態が定義されていません。
タスク完了時のアウトプットも無い状態です。
更に、タスクの粒度が大きすぎて実際のアクションが見えない。
その結果、QDC管理(Quality=品質、Delivery=納期、Cost=費用)ができない状態になっています。
まるで
メンバー達はいつまでも見知らぬ皆なのまま
というような状況。思った以上にひどかった・・・
ということで
対策しました。
1.コミュニケーションの改善
情報の集約と会議体の設定を行いました。
情報はビジネスチャットのツール上に集約しました。
各メンバーがルール無く、ファイルサーバやオンラインストレージ、ローカルとバラバラに管理されていた資料ファイルも全部ここにアップし、オンライン上で更新を進めます。
更に、日常レベル、週次レベルのコミュニケーションは、オンラインで仕事のペース乱さずスピーディに行います。
別途、2週間に一回のBIWeeklyミーティングと月次のMonthlyミーティングで対面コミュニケーションを行い、Forecastとビジネスプランの修正を行います。
2.スケジュール管理の改善
全体の日次レベルのスケジュールが作成されていなかったので、WBS(Work Breakdown Structure)を作成し管理を行います。
これで、日次レベルでの詳細タスク管理、タスク間の依存関係を可視化、管理精度のアップを実現させます。
3.予算管理の改善
これは、予算、契約、発生費用について再度整理を進めます。
予実管理、契約管理します。
4.タスク属人化の改善
再度、メンバーの役割分担明確化とタスクの洗い出しを行いました。
タスクの設定自体が、大雑把で大き過ぎる粒度だったため、もっと詳細レベルまで分解します。
これによって、品質と納期の精度アップを図ります。
更に各タスクの完了時アウトプット(成果物)を定義します。
必要に応じてメンバー間相互レビーを実施することで品質担保します。
マネジメントの役割
これまで自分が経験してきた仕事に関連したマネジメントであれば、実務的な携わり方もできます。
しかし、自分が全く経験したことの無い仕事に対するマネジメントの場合、直ぐに実務的な携わり方をすることは困難です。
しかも、途中参加の問題を抱えたプロジェクト。
メンバー間の信頼関係も構築する必要があります。
そのため、今回のプロジェクトでは純粋にマネジメントの役割として携わります。
その様な前提で、マネジメントの役割としては、
- メンバーが各タスクを全力で対応できるように環境を整える
- メンバーの力を引き出すことに力を尽くす
- メンバー間のコミュニケーションのハブになる
まずは、これらに徹することに決めています。
その上で、プロジェクトを成功に導くこと
それもマネジメントの一つの形だと考えています。
その結果が、
最後にはメンバー皆で笑い合える
「ラフ・ストーリー(laugh story)」にできたら良いなと思っています。
他でも応用
今回の事例では、色々な気付きを持つことができました。
他の仕事でも、コミュニケーション、スケジュール、カネ(予算管理)、タスク属人化は必ず出てくる問題だと考えています。
この経験を生かして、問題プロジェクトを撲滅していきましょう。
さあ、やっちゃえ!
【人生とは時間の使い方】
ミッション:自分が楽しいと思えるコースを、いつでも何度でも走り始められる。誰もが自立して生きていける社会の実現を目指して。
バリュー:無駄な仕事や突然の問題発生、幸せの実現を邪魔する不安や悩みを解決・解消していく。
■吉乃 建志(よしのケンジ)プロフィール■
妻と娘と三人家族/システムエンジニア/40歳過ぎでフルマラソンに挑戦し完走/日本全国巡ることをライフワークに決めた「旅」と「食」を楽しむスキマ旅ブラリスト/本業も副業も成果を出しプライベートも充実できるハイブリッドワーカー
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吉乃 建志
やっちゃえオッサン
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