どんなに完璧なシステムを作っても、それを扱う人間が存在する限りエラーは必ず発生するものだと考えるべきでしょう。
人間は柔軟であると同時に、不確実なものであると言えるからです。
そんな人間の起こすエラーについて、エラー発生の原因分析手法のひとつに「SHEL分析」というものがあります。
SHELとは
SHEL分析の「SHEL」とはエラー発生の要因となる、次の要素を表します。
- S=Softwere (マニュアル、作業標準など)
- H=Hardwere (設備、装置、機械など)
- E=Environment (作業環境)
- L=Livewere (人間・作業者 ※当事者の周りの人間)
SHEL分析の事例
何か問題が発生した際に、その原因が「S・H・E・L」の各要素において、どの様な要因があったかを考えます。
例を挙げてみます。
【顧客から依頼されたデータエントリーでミスが発生し、誤ったマスタが登録されてしまった。】
- S=Softwereであれば
「エントリー後のチェックを行っていなかった」
- H=Hardwereであれば
「作業当事者が通常使っているPCが使えず、画面の小さいモバイル端末で作業を行っており、作業に手間が掛かる状態になっていた」
- E=Environmentであれば
「データエントリー中にも電話が掛かり、何度も作業を中断された」
- L=Livewereであれば
「サポート要員は他の業務で忙しく、フォローする体制になっていなかった」
といった内容が出てきたとします。
先ず、これらの要因を正しく認識します。
分析と対策
次にそれらSHELの要因が、なぜ発生してしまったのかを分析します。
そしてその分析結果を元に対策を考えます。
- S=Softwere
要因:「エントリー後のチェックを行っていなかった」
分析:「データエントリー後のチェック手順がマニュアルに記載されていなかった」
対策:「マニュアルにデータエントリー後のチェック手順を追加する」
- H=Hardwere
要因:「作業当事者が通常使っているPCが使えず、画面の小さいモバイル端末で作業を行っていた」
分析:「小さい画面で作業をしていたため、画面が見づらくミスが発生しやすい環境だった」
対策:「作業時には大型モニタを接続するか、専用PCを使う」
- E=Environment
要因:「データエントリー中にも電話が掛かり、何度も作業を中断された」
分析:「電話での作業中断により、データエントリーの作業精度が低下していた」
対策:「データエントリー作業中は、電話の無い作業スペースで作業を行い、作業者に電話も取り次がない」
- L=Livewere
要因:「サポート要員は他の業務で忙しかった」
分析:「サポート要員のフォローが無いため作業者の負荷が高くなっていた」
対策:「サポート要員の作業リソースをデータエントリーに優先的に割り当てる」
対策まで考えたら、実行に移し再発防止を行います。
人間も含めてシステム
冒頭にも書いたようにシステムを扱うのは人間です。
つまり、人間もシステムの一部の要素であり、言い換えればヒューマンファクターはシステム構成要素のひとつです。
エラーや不具合が発生した際に、ついシステム側に注視してしまいがちです。
でもSHEL分析を行うことで、もっと根本かつ柔軟な対策を取れる可能性が出てくるのです。
【人生とは時間の使い方】
ミッション:自分が楽しいと思えるコースを、いつでも何度でも走り始められる。誰もが自立して生きていける社会の実現を目指して。
バリュー:無駄な仕事や突然の問題発生、幸せの実現を邪魔する不安や悩みを解決・解消していく。
■吉乃 建志(よしのケンジ)プロフィール■
妻と娘と三人家族/システムエンジニア/40歳過ぎでフルマラソンに挑戦し完走/日本全国巡ることをライフワークに決めた「旅」と「食」を楽しむスキマ旅ブラリスト/本業も副業も成果を出しプライベートも充実できるハイブリッドワーカー
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吉乃 建志
やっちゃえオッサン
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